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医療とリスク

介護施設で利用者が「トイレは一人で入りたい」と強く言った場合、介護者は、ドアの外にでていいか・・・という問題があります。考え方はいろいろありますが、私は認知症がなければ「OK」、認知症があれば、多少、ふらつくレベルでも「NG」だと考えて行動しています。でも、過去にトイレ介助の訴訟は何件も起きていて、だいたいは注意義務を怠ったとして施設側に高額な損害賠償が命じられています。つまり、施設側の敗訴です。それでも私は、認知がなければ、ドアの外に出ています。でも、これが、いつも病院側と対立するんです。
一昨日も、こんなことで「対立」がありました。事件は介護施設ではなく病院でしたが、ある患者さん(大脳左半球損傷、右半身麻痺、失語症)が、上着を着ようとしていました。その患者さんは、なぜか健側の腕だけに袖を通し、患側だけを残して、やっぱり着れないからからと言って、スタッフを呼んでいました。そこに、偶然、私が通りかかったので、「あれ、Tさん、どうかしました?」と、声をかけました。Tさんは、顔をしかめながら「これ・・・着れないから」と言ったので、私は、分かりましたと言いながら、袖から健側の手を出そうとしました。すると、Tさんは「だめ、それじゃあ、着るのも練習だから」と、私の手を制止したんです。私は「分かりましたけど、こっちからでは着れませんよ。無理です。だから、こっち(麻痺側)から着ましょうよ。」というと「絶対、嫌だ」と言い、無理やり一人で着ようとしました。Tさんは、認知症がありません。言葉がうまく話せないだけの患者さんです。なので、私は、やむなく「じゃあ、服を少しひっぱりますよ」と言いながら、患側の手が入りやすいように服を引っ張って、手を少しづつ袖の方に動かしていました。Tさんが「痛い・・・」と言ったので、止めました。その後、Tさんも着れないことに納得したので、袖から手を出し、患側から着せなおしました。事件は、その後、起きました。その一連のやり取りをどこかの看護師が見ていて、それを大げさ?に医局の部長に報告したんです。案の定、私は、呼び出し、始末書、反省文、掲示板への張り出し・・・と大変な騒ぎになりました。
「何て事をしてくれたんだ君は・・・。」と、部長が血相を変えて激怒していましたが、私は、言い訳が面倒なので「勝手に処分してください。」とだけ言って帰りました。
私は、考えられるあらゆるリスク(骨折や捻挫など)は考慮していましたし、間違った行為はしていないという自信もありました。委縮医療などにもつきあうつもりもないし。そう思っていました。翌日といっても昨日ですが、私に「行動命令書」が届きました。そこには、患者に触ってはけない、と書かれていました。・・・笑えます。Tさんは私の患者さんなので、触らず訓練なんてできるわけがない。昨日、は通常通り、Tさんと接しました。でも、会うと、すぐにTさん、眼を充血させて「ご・め・ん、オレのせいでおこられた・・・でしょ」と言ってくれました。私は「Tさん、情報早いね。でも、怒られてないから、大丈夫。何の問題もないから。」そう言いながら、Tさんの右手を軽くマッサージしてあげました。

・・・ということです。 (^-^)♪

それでは、明日のために頑張ってください。

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