« 2011年10月 | トップページ | 2011年12月 »

2011年11月

脳障害の機能回復訓練について

一般に血流が不足して酸素や栄養分が供給されなくなった状態を「虚血」といいます。この虚血が脳内の血流で起こることを脳虚血といい、それが限界を超えると「脳梗塞」になります。つまり、脳梗塞は虚血によって脳細胞が壊死することであり、壊死した脳細胞は、脂肪の液体となり、その部分はいわゆる空洞となります。脳内の血管が破裂して血液が脳細胞の周囲へ流出しても、梗塞の経過と同様に空洞化します。空洞となった部分が、本来、運動野に連絡していると身体の麻痺がおこり、言語野であれば、失語症が生じ、感覚野であれば感覚障害が生じます。当たり前ですが。ちなみに、脳の左半球は、言語中枢があり、コミュニケーションが生活の中心となる今の社会では最も左脳が「酷使」されます。酷使されるということは、そこに疲労が蓄積し、限界を超えることが起こりやすいということになり、左半球が障害を受けやすい結果が生まれます。なので、脳障害の後遺症には、失語症が多いんです。
さて、面倒な、前置きはこのぐらいにして、本題の脳障害が訓練により回復するかということですが、破壊された脳組織は再生が不可能なので、空洞は空洞のままです。ここに新しい細胞は再生されません。でも、脳の他の部分(壊死していない部分)が、破損した組織の機能を補うことで、回復できる場合が「ある」といいます。周囲の領域が新たな言語野となる場合です。ただし、この仮説の可能性は少なく「極まれ」だと思われます。なぜ「まれ」か、というと、この仮説には厳しい「条件」があるからです。
「条件」とは、側頭葉・・・もっと細かく言うと「耳」の付近を徐々に円状に拡大した領域で、 耳に近いところを聴放線といいその両サイドを横側頭回(聴覚野)と言いますが、ここが機能している・・・ということです。横側頭回は中大脳動脈系ですからかなりの頻度です。今のリハビリは、刺激法とか、遮断除去法とか、脳の側頭葉が機能している場合を想定した訓練が主体になっていますが、ここが障害されている場合は、そもそも「音声の理解」ができないわけですから、音声刺激自体が意味を成さないと思います。にもかかわらず、刺激系の訓練をしている患者さんをよく見かけますが、私は、あれは「意味がない」と思っています。逆に言うと、横側頭回は保たれていて、そのやや上部の縁上回とか、中側頭回(ブローカ野)、あるいは、やや前方の中心前回(運動野)と、その上部の中心後回あたりが障害されている場合は、この音声による刺激訓練で、ある程度は回復できると思います。
・・・で、私は、そんな患者さんに、どんな訓練をしているかというと、病院側には隠していますが密かに「右脳訓練」をしています。損傷がある左脳ではなく右脳を鍛えています。右脳に、新たな言語野を作ることが目的です。・・・つまり、英語を憶えるような方法で訓練をしているということです。漢字や仮名は図として覚え、言葉は音として覚え、文法は配置や構成として、感覚は感性を使って覚えます。今は、まだ研究段階ですが、いつか、この方法を普及してやろうと、ひそかに企んでいます。(笑;)

・・・ということです。 (^-^)♪

それでは、明日がいい日になりますように。

↓こんなブログですが、もしよければ応援クリックお願い致します

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ブルンストロームステージ

ブルンストロームステージ(Brunnstrom stage)とは、手や脚のマヒの段階をⅠ~Ⅵの6つに分けて評価する評価法で、ステージ1が「弛緩性麻痺」ステージ2が「緊張性の出現、連合反応」、ステージ3が「痙性麻痺」、ステージ4が「共同運動から分離運動」、ステージ5が「分離運動の増加」、ステージ6が「正常に近いレベル」ということになっていて、脳卒中後のマヒの回復過程を表すものとして、一応、今も主流で使われている評価法です。患者さんのカルテには、3-3-4とか、2-1-2とか、そういう書き方で書かれています。順番は、上肢、手指、下肢の順です。ちなみに、脳卒中の患者さんは下肢ステージ3が最も多いです。下肢ステージ3というのは、靴べら式装具か支柱付き装具を使用して、ステッキである程度、自立歩行ができるレベルです。評価は、通常は上肢と手指のステージは同一で、上肢、下肢のステージにステージの差がほとんどないのが一般的だと言われています。実際は、下肢の方が上肢よりステージが高いことが多いです。また、ブルンストロームステージは、当初は、回復過程を回復曲線をグラフで表し、この曲線と現在の能力を照らし合わせて訓練計画やその見直しに利用することが目的だったと言われています。ですが、今は、現状の麻痺の程度を表すためだけに使われています。なぜかというと、ブルンストロームステージ回復過程には、致命的な欠陥があることがわかったからです。致命的な欠陥のひとつは、この評価法に「関節拘縮」の概念がないことです。これは、ありえません。そして、もうひとつは、この評価そのものの論理的な矛盾です。たとえば、ステージ3の「痙性麻痺」は、脳神経の錐体路に障害があることで生じます。ですから、脳障害後であれば、ステージ2にも「痙性麻痺」存在することになります。それと、基本的に、脳は損傷部位の機能が回復しません。ならば、歩行訓練をいくら行っても、脳の障害までは治らない。言い換えて言うと、「痙性麻痺」は治らないということです。つまり、次の回復経過であるステージ4の「共同運動から分離運動」には、永久に辿りつけないということになります。実際に、多くの患者さんを見ていても、ステージ3がステージ4に移行した例はありません。ステージ2からステージ4に移行した例は、ありますが・・・。基本的に脳障害後の麻痺は、そう簡単には治りません。なので、もし、私が麻痺にあったら、元に戻るとか、そういう類の回復はきっぱりとあきらめて、代替機能をさっさと作り上げていくことに執念を燃やします。・・・多分。

・・・ということです。 (^-^)♪

それでは、明日がいい日になりますように。

↓こんなブログですが、もしよければ応援クリックお願い致します

人気ブログランキングへ

| | コメント (3) | トラックバック (0)

« 2011年10月 | トップページ | 2011年12月 »